「メニューにパンを加えたいが、専門の職人を雇ったり、大掛かりな設備投資をしたりする余裕はない…」。
多くのレストラン経営者が、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
特に、ECサイトでの商品展開や、既存メニューの付加価値向上を考えるとき、パンの自社製造は大きなハードルとなります。
しかし、この課題に対する意外な解決策があります。
埼玉県飯能市で2店舗のレストランとECサイトを運営する有限会社濱様は、主力商品であるハンバーグのセットに、熊本県の老舗ベーカリー「永田パン」のバンズを採用。
当社「パンフォーユー」プラットフォーム上でマッチングし、長年にわたり継続利用してきました。
レストランHAMAの外観
地理的な距離を越えたこのパートナーシップは、レストランが抱える「成長の壁」を打ち破る、新たな経営モデルを提示しています。
本記事では、濱中様の事例を通じて、「パンを焼かない」という選択が、いかにしてメニュー拡大とコスト削減を両立させるのかを解き明かしていきます。
1. なぜ埼玉・飯能のレストランが、九州のパン屋を“かかりつけ”に選んだのか?
有限会社濱様は、埼玉県の飯能市に根ざし、2店舗のレストランとECサイトを運営する地域密着型の企業です。
驚くべきことに、同社は約2〜3年前から、冷凍パンのプラットフォーム「パンフォーユー」を通じて、遠く離れた九州・熊本の永田パンのバンズを定期的に購入しています。
永田パンの外観
「永田パン|熊本県」のパン一覧はこちら
従来、レストランのパンは近隣のベーカリーから仕入れるのが常識でした。
しかし、冷凍パンプラットフォームは「最高のパンがどこにあるか」を基準に提携先を選ぶことを可能にし、品質を最優先する全国規模のサプライチェーンを構築。
“老舗レストラン×名ベーカリー”という、距離に縛られない最適解を生み出しました。
2. 「パンは自社で焼かない」決断が、新商品開発とコスト削減を実現
濱中様がECサイトで冷凍ハンバーグの販売を開始した際、もし自社でパンを焼くとなれば、専門知識を持つ新たな人材の確保や、製造オペレーションの構築など、多大な時間とコストが必要になるという現実に直面したといいます。
“焼かずに仕入れる”という選択は、単なる委託ではありません。人的リソースと投資を本来注力すべき料理開発とサービスに集中させるための、賢明な経営判断です。
結果として、新たな設備投資や人材採用を行わずに新商品を開発し、固定費を抱えないコスト構造へと転換。
多くの導入店舗と同様に、メニュー拡充とコスト削減を同時に実現しています。
3. 冷凍×二段リベイクで“出来立て”を再現、ECとの相性も抜群
「冷凍パンは、焼きたてに比べて品質が劣るのではないか?」という先入観は、実際の顧客の声が打ち消します。
レビューには、ハンバーグだけでなく「パンも美味しい」という評価が並びます。
永田パンという“本物のパン屋がつくる”バンズへの安心感・信頼性が、その体験を支えています。
永田パンのバンズ(左上)
永田パンのバンズご購入はこちらから
運用面でも強みがあります。冷凍保存→電子レンジ→トースターの二段リベイクで、客前に出す直前に“出来立て”の香りと食感を再現可能。
さらにバンズは個包装のため、ECのハンバーグセットにそのまま同梱しやすく、衛生面・梱包効率・お客さまの取り扱いのしやすさが揃います。
在庫を切らさず、売り越しを逃さない——ECと店舗の両輪運営にぴったりの仕様です。
4. 省人化オペレーションで、現場は“おいしさの体験設計”に集中
濱様の運用は、セントラルキッチン方式と冷凍パンの長期保存性がかみ合い、本店の大型冷凍庫をハブに一括在庫管理。
必要分だけ解凍して二段リベイクできるため、フードロスを抑えつつ常に安定品質で提供できます。
当社プラットフォームでは、複数ベーカリーからの一括発注や納品頻度の最適化など、省人化とロス低減を両立する設計が可能。
厨房が仕込みに追われないぶん、スタッフは“温め方・提供演出・ペアリング提案”といった体験設計に時間を投資できます。
老舗レストランの価値を、オペレーションの効率化でさらに磨き上げるアプローチです。
まとめ:次の一歩は「焼かないパン」から
有限会社濱様の事例は、「パンを自社で焼かない」という選択が、新たな設備投資や人材確保なしでのメニュー拡大、製造コストの削減、そして専門店クオリティによる品質担保を同時に実現する、極めて戦略的な一手であることを示しています。
さらに、冷凍保存×個包装×二段リベイクという設計は、ECと店舗という複数チャネルに最適化された在庫運用を可能にし、機会損失を防ぐ強力な武器となります。
あなたのレストランの次の一歩は、意外な場所との出会いから生まれるかもしれません。その選択肢として、「焼かないパン」を検討してみてはいかがでしょうか。